子どもの頃、動物の世話をするのが好きだった。
猫、モルモット、ニワトリ、九官鳥、インコなど、
貰ったり拾ったりして親に怒られながらも飼わせてもらった。
大人になって子育てもひと段落したので、また動物の世話をしたいと思っていた。
猫のブリーダーさんから子猫が5匹産まれ、
足が長いという理由で1匹が売れ残っていると連絡を受け、その猫を飼うことにした。
「この子は暴れん坊になりますよ」とブリーダーさんに言われた。
猫を飼って2年が経つが、餌をあげたりトイレの掃除をしたりと世話を楽しんでいる。
ブリーダーさんが言う通り、猫はやっぱり暴れん坊だったようで、カーテンは破かれ、
床は爪で傷だらけ、エアコンの上に登ったり、二階から一階に飛び降りてきたりする。
夜は窓際で外の様子を伺い、明け方までパトロールをしている。
2年も一緒にいると、猫の気持ちが何となくわかるようになる。
ご飯くれ、遊んでくれ、かまうな、抱っこしろ、お腹をさすれ、布団に入れてくれ。
逆に猫も人間の気持ちをわかっているような気がする。
体調が悪く寝込んでいると、こちらをずっと観察しその場を離れない。
息子が勉強していると、膝の上に乗りじっとしている。
トイレに入ると心配なのか、ドアの向こうで待っている。
夜のパトロールについて調べてみると、飼い主を敵(虫や鳥)から守っているらしい。
人間が猫の世話をしているつもりが、実は、猫が人間の面倒をみているのかもしれない。